女性の薄毛改善に効果的な漢方薬まとめ(体質別)

 女性の薄毛改善において、漢方薬は体の内側から体質を整え、根本的な原因にアプローチできる点が大きな特徴です。西洋医学の薬のような即効性はありませんが、冷えやストレス、ホルモンバランスの乱れなど、女性特有の不調を同時に改善し、結果として発毛・育毛しやすい土台を作ります。

ここでは、東洋医学(漢方)で考えられる女性の薄毛の主な原因タイプと、それぞれの改善に効果が期待できる代表的な漢方薬をまとめます。



漢方では、薄毛を「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」のバランスの乱れ、特に髪と関連の深い「血」と「腎(じん)」の不調が原因と考えます。

1. 【血虚(けっきょ)タイプ】:「髪の栄養不足」型

漢方では、髪は「血余(けつよ)」(血液の余り)と考えます。血液が不足すると、髪の成長に必要な栄養が行き渡らず、髪が細くなったり、抜け毛が増えたりします。貧血気味、顔色が悪い、めまい、疲れやすいなどの症状を伴うことが多いです。

漢方薬名主な効果・特徴抜け毛以外の適応症状(体質)
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)血を補い、水の巡りを整える。血行促進、冷え性改善の基本処方。貧血傾向、冷え性、むくみ、疲れやすい、月経不順
婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)血液を補い、体を温める。特に貧血や冷えが強い女性に。貧血、冷え性、月経痛、更年期障害
四物湯(しもつとう)血を補う基本処方。多くの婦人科系処方のベース。血の不足による皮膚の乾燥、月経不順

2. 【腎虚(じんきょ)タイプ】:「老化・生命力不足」型

漢方でいう「腎」は、生命力や生殖、成長、老化と深く関わる臓器と考えられています。「腎」の機能が衰えると、髪のハリ・コシが失われ、抜け毛や白髪が増えやすくなります。加齢による薄毛や、体力の低下、足腰のだるさ、頻尿などの症状を伴うことが多いです。

漢方薬名主な効果・特徴抜け毛以外の適応症状(体質)
八味地黄丸(はちみじおうがん)「腎」の機能を補い、特に体を温める力が弱い腎陽虚に。頻尿、むくみ、足腰の冷え・だるさ、かすみ目(主に高齢者)
六味丸(ろくみがん)「腎」の機能を補い、体内の潤いが不足する腎陰虚に。ほてり、口の渇き、夜間の排尿回数増加
七宝美髯丹(しちほうびぜんたん)「腎」を補い血を養う。白髪や若白髪にも用いられる。足腰のだるさ、精力減退

3. 【瘀血(おけつ)・気滞(きたい)タイプ】:「血行不良・ストレス」型

  • 瘀血:血の巡りが滞っている状態。頭皮の血行が悪く、毛根に栄養が届きにくくなります。肩こり、シミ・くすみ、月経痛などが伴います。

  • 気滞:ストレスなどで「気」の巡りが滞っている状態。自律神経やホルモンバランスの乱れにつながり、薄毛の原因となります。イライラ、不眠、更年期症状などが伴います。

漢方薬名主な効果・特徴抜け毛以外の適応症状(体質)
加味逍遙散(かみしょうようさん)気の巡りを改善し、ホルモンバランスを調整ストレスによる不調に最も多用される。イライラ、不安感、更年期障害、月経不順、肩こり
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)血の滞り(瘀血)を解消し、血行を促進。月経不順、月経痛、肩こり、のぼせ
十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)「気」と「血」の両方を大きく補う。体力が著しく低下している場合に。疲労倦怠、手足の冷え、貧血、病後の体力回復

漢方薬を服用する上での注意点

  1. 自己判断は避ける:漢方薬は体質(証)に合わせて選ぶことが最も重要です。同じ「薄毛」の悩みでも、体質によって最適な処方は異なります。専門の漢方医や薬剤師に相談し、ご自身の体質に合ったものを選んでもらいましょう。

  2. 継続が力になる:漢方薬は体質改善を目的とするため、効果を実感するまでに時間がかかります。一般的に、数ヶ月〜半年は継続して服用することが推奨されます。

  3. 食生活の見直しも重要:漢方薬の効果を高めるためにも、体を冷やさない、バランスの取れた食事を心がけるなど、日々の生活習慣を見直すことが大切です。

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